ぼくの名前はズッキーニ、観劇を終えて。

 

 

観終わって電車に乗っている今も、まだ心がぎゅってなってる。多分もう一度観たいとは思わない。つまらなかったという意味じゃなくて、今の私にはキャパオーバー。でも一度で得られたものはあまりにも多くて、むしろ最初で最後だからこそ、今こんな気持ちになってると思う。

最近お芝居のことばかりで構ってくれないのも、みんなに見てほしいって思うのも、よく分かった。あれだけ大きな感情を背負うには、どれほどの覚悟と愛と真剣さが必要なんだろう。毎日ズッキーニを生きている雄大くんがどんな気持ちなのか、すごく知りたい。私には到底背負えない。

 


ロージー先生の立派な大人になんかならなくていい、ここまでだよって引かれた線からみんなはみ出すって言葉が、今の私には本当に響いた。ありがたかった。年ばかり重ねても中身は全然子どもで、大人になりたくない自分と現実とのギャップが最近ずっと苦しかった。線からもはみ出しちゃったし。でも生きていく上で誰にも起こることで、それが初めて起こっただけで、多分これかもはみ出すことはある。その時に私もカミーユとかロージー先生とかズッキーニみたいに思いっきり抱きしめてほしいし、大切な人には絶対にそうしてあげたい。

現に私は、苦しいと思うこの今、心を抱きしめてくれてる大切な人が何人か思い浮かぶ。もちろん雄大くんもその1人。人に頼ってもいいんだって、好きって言葉にするのって素敵なんだって思わせてくれて、本当にありがとう。

 


ズッキーニがママの昔の姿を思い出すところ、お家でママを探してるところ、しんどかったなぁ。わりと昔のトラウマが蘇ってきて、なおさら今が幸せだなって思う。「ママは悪くないよって言ってあげたい」って言葉で涙が止まらなかった。何があってもママのこと大好きなズッキーニが、あったかくて純粋で大好きだと思った。

レイモンと握手するのを躊躇してたズッキーニが、カミーユを導くみたいに手を繋いでたり、レイモンと自分から腕を組んでるのめちゃくちゃ可愛かった。無償の愛を知ったんだろうな。ズッキーニほんとに可愛かった。最初の背伸びして落書きしてる時点で悶えた。喋りかた完全に6歳児だし、食べたあとズボンで拭くのとか、話聞きながらそわそわして手動いちゃうのとか、ママの缶を床に置くときに手でホコリをさって払ってたのも可愛すぎて私が引き取りたい。

ブチ切れた後の、シモンとバケツ持たされるシーンが可愛かった。ごめんねってちゃんと言えるズッキーニえらい。あとシモンのことみんなで茶化すところのダンス、1人だけジャニーズ発揮しててわらった。キレキレ(笑)

 


そしてカミーユ、海荷ちゃん。可愛すぎたな。好きなタイプど真ん中だし可愛いってなるのは分かってたけど、登場の段階でもう好き!ってなった(笑)お芝居のパワーもすごかった。

でも割と今回のMVPはロージー先生かもしれない。お茶目でパキパキしてて、みんなのこと大きすぎる愛で包んでくれる先生、素敵だった。ズッキーニが先生のこと抱きしめてよしよししてあげてるの愛だった。多分アドリブだけど、「お友達の辰巳雄大くんが髪切ったの気づいた人〜?」可愛かった。雄大くんがこのカンパニーの座頭でよかったな。

あと脚本がすごく好き。色々考えさせられることはもちろんだけど、所々にユーモアが散りばめられてて笑わせてもらいました。泣いてることを「肩がダンスしてる」とか。分割払いのことを「時間をかけて自分のものになっていく」って表現するの、確かにな〜って納得してしまった。

 


愛されることが、同じくらい誰かを愛することが、奇跡で大切で価値のあることなんだっていうことが痛いほど伝わってきた。

今まで、大切な人に対してなるべく気持ちを言葉にするように心がけてきたけど、それが間違ってなかったことも再確認できた。

 


演じている姿が本当に好き。最高だよ、役者辰巳雄大。かっこいいよ!自慢の推しだよ!!!

雄大くんが泣いてると絶対に泣いちゃうのは、初めて雄大くんの演技を見たときからずっと変わらない。


こんなにたくさんのことを感じさせてくれた、ぼくの名前はズッキーニ。最高の作品です。雄大くんがズッキーニを演じてくれてよかった。また新しい素敵なあなたに会えました。